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らっているというのです。多い子は驚くなかれ30万円ももらっている。うらやましい話ですね。お年玉をどうしたのでしょうか。8割の子供が「貯金」と答えているのです。子供のほうがよほどしっかりしております。この貯金額、現在世帯にすると1,092万円という額になります。そんなにあるのかと驚かれると思いますが、持っている人はたくさん持っています。ただし、その3分の2くらいのローンも抱えております。
この貯金額はアメリカの3倍、イギリスの4倍にものぼります。世界で一番貯金を保有しているのが日本で、その貯蓄率が高いので社会資本に投資をするのが可能でした。ただ貯金をたくさん持っていることが自慢になるかどうかは別です。
スウェーデンの人は貯金を持っておりません。国民負担率という概念があります。それは私どもが支払う税金、プラス健康保険その他の社会保険料の合計が国民所得の中でどれくらいの割合になるかということを表す概念です。スウェーデンが最高で、一時76%なりましたが、今日では70%くらいに落ちました。実に重い負担なのです。ヨーロッパの先進諸国はいずれも50〜60%を示しています。
先進国の中で一番低いのがアメリカで36%、スウェーデンの半分くらいの負担しかありません。日本では、病院でお産をすると大体一週間入院するでしょう。私の娘がアメリカにおりますが、娘の分娩のさいの入院期間は3日でした。日帰りのお産もだいぶあるということでした。医学的にはそれでいいそうですが、一つの理由は入院費が高くて払い切れないから早く帰る。同じく一般の病院の平均入院日数で言いますと、アメリカは日本の4分の1くらいでしょうか、非常に短いです。アメリカには何の保険にも入っていない、つまり無保険の人が約3,700万もいる。この人々をどうするかというのでクリントン大統領の奥さんのヒラリーが委員長になって、医療改革の委員会をつくって改革案を提出しま

 

 

 

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